2026年1月14日(水)から19日(月)まで、京都髙島屋S.C. 6階美術画廊にて開催された「轟悠(藏人)展〜奇跡の瞬き〜」。
2024年の日本橋、2025年の新宿に続き、ついに待望の関西初開催となりました。
元宝塚歌劇団トップスターであり、現在は美術作家「藏人(クロード)」として活動する轟悠さんが、歴史の街・京都で魅せた新たな世界を詳しくレポートします。
この記事では、まず個展の概要を振り返り、その後で私自身が実際に会場を訪れて感じた感動や詳細な様子をお伝えします。
轟悠(藏人)展の概要
まずは、今回の個展の背景を整理しておきましょう。
開催が発表されたのは2025年12月10日(水)。
京都髙島屋の公式サイトや主要メディアで一斉に報じられ、ファンの間では「ついに関西へ!」と歓喜の声が上がりました。
ちなみに、過去の個展の歩みについては、こちらの記事も併せてご覧ください。今回の進化がより鮮明に感じられるはずです。
今回のテーマは「奇跡の瞬き」。
展示されたのは、新作のポーリングアート約60点です。
個展については、以下のように紹介されています。
元宝塚歌劇団 轟 悠の関西初の作品展を京都高島屋S.C.(百貨店)6階美術画廊にて開催いたします。歴史を重んじ今を守り続ける京都。かつて演じた日本ものの題材と重なり合い、美しさ、強さ、優しさの織り込まれたポーリングアートの不思議な癒し、エネルギーの魅力が融合された作品です。ぜひご高覧くださいますようお願い申しあげます。
これまでの個展では西洋が舞台の作品をモチーフとしていたのに対し、今回は「和(日本もの)」をテーマにしている点が大きな特徴です。
また、公式サイトには轟さんからのコメントも掲載されていました。
京都高島屋美術画廊にて、関西初の個展をさせていただきます。
日々の中で奇跡のまばたく瞬間と、限りない不思議な美しさの偶然性を生みだすポーリングアートの世界を、キャンバスの上で表現いたしました。
轟 悠(藏人)
さらに今回は、轟さんの大ファンで、宝塚歌劇の公演ポスターや舞台美術を手がけたこともある、アーティストの横尾忠則先生からのメッセージも公表されています。
藏人さん、びっくりです。東京展とガラリ変わって力強くなりました。作品がまるでかつての轟悠時代の宝塚歌劇団の舞台のように、いや、それ以上にダイナミックに、画面の中で踊りまくっています。
そして絵に新しい振り付けが加わりましたね。この次も、その次も、もっともっと変わる予感に満ちています。
この調子でわが道を暴走して下さい。
絵での交通違反は誰もとがめません。大歓迎です。でも無理はしないでネ。
横尾忠則
同時に、京都髙島屋の公式サイトより、個展初日の1月14日(水)のみ入場整理券が配布されることが発表されました。
今回も入場は無料です。
奇跡の美しさに浸る、唯一無二のアート空間
ここからは、実際に会場を訪れて感じた詳細なレポートです。
会場となったのは京都髙島屋S.C.(百貨店)6階美術画廊。
入り口にはお祝いの花が並び、会場を華やかに飾っていました。
また、轟さんの経歴と、公式サイトにも載っていた横尾先生からのメッセージ、そして「あけましておめでとうございます。」から始まる轟さんからのメッセージが掲げられていました。
そして、今回特に印象的だったのが、会場の外にテーブルと椅子、花柄の用紙とカラフルなペンが用意されていたことです。
事前にお手紙を用意する人もいますが、作品を見て感じた熱量をその場で記して「投函箱」に入れられるようになっていることに感動しました。
私が画廊を訪れたときも、真剣にペンを走らせているファンの姿がありました。
画廊の中に入ると、四方の壁と部屋中央にある柱にぐるりと作品が飾られていました。
そのなかでも最初に目をひいたのは、入って正面、柱に飾られてある「奇跡の宴」という作品です。
公式サイトでもトップに掲載されていた個展の「顔」ともいえる作品で、これだけ非売品でした。
白地に金と赤の色合わせがお祝いをイメージさせる、華やかな絵でした。
ところで、今回の個展で興味深かったのは、これまでとは異なり、轟さんからどの舞台作品がモチーフかという具体的な明言がなかったことです。
かつて演じた日本ものの題材が重なり合っていることは示されていましたが、事前の告知にも、そして会場内のメッセージにも、舞台のタイトルは書かれていませんでした。
並んでいる作品を見てみると、似たような色彩の作品がきちんと並んでいるので、このあたりは同じ舞台がモチーフなんだろうなということはおおよそわかりました。
しかし、絵のタイトルを見てみると、ほとんどの作品が「奇跡の○○」「○○の奇跡」となっていて、単純にはモチーフがわかりませんでした。
ただ、モチーフを横断してタイトルに統一感を持たせることで、ひとつの大きな世界観が形作られていたように思います。
正解を提示せず、観る側の想像に委ねる今回のスタイル。
「このタイトルはあの舞台の挿入歌の歌詞かしら?」
「この絵はあの舞台のあのシーンだと思う」
など、ご友人同士で話し合うファンの方が多くいらっしゃいました。
自分の記憶と照らし合わせながら色々と考えてみたくて、私も会場内を何周もしてしまいました。
さらに、今回の個展では、ポーリングアートの上から一手間描き加えられているものが多かったと思います。
特によく見られたのが、金色の真っ直ぐな線。
ポーリングアート特有の偶然が生み出す流線形に直線が融合することで、絵が締まって見えるような気がしました。
もしかしたら、横尾先生がおっしゃる「新しい振り付け」というのは、このことを指すのかな?と思いながら鑑賞していました。
なかには薔薇が描かれているものもあり、その華やかさが非常に印象的でした。
また、新しい展示スタイルだと感じる作品もありました。
8枚の絵が4枚ずつ上下2段に分けて並べて展示されているもので、最初は8枚でひとつの作品かと思いました。
しかし、タイトルを見てみると8枚それぞれにすべて同じタイトルがつけられていて、それぞれ独立して購入できるようになっていたのです。
8枚の絵は模様が繋がっていたので、1枚での購入はもちろん、複数枚を並べて飾っても美しい仕上がりになることでしょう。
画廊内や作品の写真撮影は禁止されていましたが、京都髙島屋の公式Instagramで轟悠展の様子が一部公開されていますので、ぜひご覧ください。
なお、今回も会期中に轟さんご本人の在廊はありませんでした。
轟悠さんの「和の魂」を映像で追体験:『婆娑羅の玄孫』
今回の個展から、轟さんが演じた「日本もの」の凛とした美しさを思い出した方も多いはず。
なかには轟さん最後の主演作となった『婆娑羅の玄孫』の面影を感じさせる作品もあり、私自身も胸が熱くなりました。
轟悠さんという稀代の男役が、舞台の上で命を燃やしたあの「奇跡の瞬間」を、今一度映像で振り返ってみませんか?
和物ならではの、美しくも力強い生き様は、時間を経ても私たちに元気と感動を与えてくれるはずです。
なお、この作品はプライム会員見放題の対象外で、視聴にはレンタルが必要です。
まとめ:進化し続ける作家・藏人の背中
「轟悠(藏人)展〜奇跡の瞬き〜」は、関西のファンにとって待望の、そして最高の個展となりました。
舞台を降りてもなお、キャンバスの上で踊り、私たちにエネルギーを与え続けてくれるその姿に、深い感動を覚えました。
次はどんな色で、私たちの心を彩ってくれるのでしょうか。
その奇跡を、また共に待つことにしましょう。





