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推しを失い旅に出た話(2)

とても受け入れられることではなかった。あり得ないと思っていたことがあり得てしまったのだ。まさか彼女がこんなにも早く引退するなんて。僕は泣きもしなければ騒ぎもしなかった。どうやらショックを受けたときに感情を捨てる癖は消えていなかったらしい。…
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推しを失い旅に出た話(1)

平日だから自由席でもいいかと思ったけれど、車内はあまり広くないという評判を聞いたので指定席にしておいた。しかし予想していたとおり、ホームにいる人はまばら。特急に乗るのが初めての僕は、待ち位置すらわからない。…
書籍レビュー

愛してはいけない女(『マノン・レスコー』アベ・プレヴォー:作、青柳瑞穂:訳/新潮文庫)

『マノン・レスコー』(アベ・プレヴォー:作、青柳瑞穂:訳/新潮文庫)の書籍レビュー。あらすじや感想・おすすめポイントなどを紹介。「私」は出先のパシーで娼婦たちを連行する一隊に出くわす。…
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力士の香水の話

私は香水をつけたことがありません。メイクだってそんなに上手じゃない私が香水に手を出すなんて早すぎると思って敬遠してきたからです。けれど、素敵な香りをまとった、大人でおしゃれな女性に対する憧れはありました。…
書籍レビュー

佇まいの美しい男(『小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア』塩野七生/新潮文庫)

『小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア』(塩野七生/新潮文庫)の書籍レビュー。あらすじや感想・おすすめポイントなどを紹介。ローマからヴェネツィアに帰ってきたマルコは、十人委員会の委員として職場復帰を果たす。…
書籍レビュー

心に従って人を愛す(『小説 イタリア・ルネサンス3 ローマ』塩野七生/新潮文庫)

『小説 イタリア・ルネサンス3 ローマ』(塩野七生/新潮文庫)の書籍レビュー。『黄金のローマ 法王庁殺人事件』改題。あらすじや感想・おすすめポイントなどを紹介。フィレンツェを出てローマにたどり着いたマルコ。…
書籍レビュー

激情に身をまかせた若者(『小説 イタリア・ルネサンス2 フィレンツェ』塩野七生/新潮文庫)

『小説 イタリア・ルネサンス2 フィレンツェ』(塩野七生/新潮文庫)の書籍レビュー。『銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件』改題。あらすじや感想・おすすめポイントなどを紹介。フィレンツェへ旅に出たマルコ。…
書籍レビュー

国の、人の、将来を想う(『小説 イタリア・ルネサンス1 ヴェネツィア』塩野七生/新潮文庫)

『小説 イタリア・ルネサンス1 ヴェネツィア』(塩野七生/新潮文庫)の書籍レビュー。『緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件』改題。あらすじや感想・おすすめポイントなどを紹介。舞台は16世紀前半のヴェネツィア共和国。…
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フェアリー・ゴッドマザーがやってくる人の話

「やっぱりプリンセスストーリーって憧れるよね~!運命の王子様に出会って人生が変わるなんて素敵!」とかいう、相変わらず夢見がちなゆんみるの話にさんざん付き合わされたのが先月のこと。…
書籍レビュー

罪のないお話(『ほんものの魔法使』ポール・ギャリコ:作、矢川澄子:訳/ちくま文庫)

『ほんものの魔法使』(ポール・ギャリコ:作、矢川澄子:訳/ちくま文庫)の書籍レビュー。2021年に創元推理文庫から復刊が決定。あらすじや感想・おすすめポイントなどを紹介。魔法都市マジェイア。そこは、世界中の魔術師が妻子とともに暮らす都。…