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イタリア・ルネサンスを国内で学べる・楽しめる美術館&テーマパーク特集

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絵画を中心に様々な芸術が花開いたイタリア・ルネサンス。

当時の文化・作品を国内の身近な場所で楽しむことができたら素敵だと思いませんか?

そこでこの記事では、イタリア・ルネサンスを学んだり楽しんだりできる日本の美術館・テーマパークを紹介します。

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ルネサンスとは

ルネサンスとは、人間中心の価値観のもと、ギリシア・ローマの古典文化を復興しようとする文化運動のことです。

思想、文学、美術、建築など、様々な分野で起こりました。

「ルネサンス」はフランス語で「再生」を意味し、日本語では「文芸復興」と訳されます。

14世紀にイタリアで始まったのちヨーロッパに広まり、16世紀まで続きました。

これは15世紀末の大航海時代、16世紀の宗教革命と同時期にあたります。

では、なぜルネサンスはイタリアから始まったのでしょうか。

理由のひとつとして、当時のイタリア諸都市がアジアとの東方貿易で経済的に繁栄しており、芸術家たちを金銭面で支える大富豪が多くいたことが挙げられます。

特にフィレンツェのメディチ家は、ルネサンス期のパトロンとして有名です。

また、古典文化の史料が充実していたことも、ルネサンスがイタリアから始まった理由のひとつです。

イタリアには古代ローマの文化遺跡が数多く残されていました。

さらに、当時は強力なイスラム王朝であるオスマン帝国の台頭により、ギリシア文化に精通した知識人や学者がイタリアに避難してきていたのです。

これらの要因が重なったことで、イタリアでギリシア・ローマの古典文化研究が進み、ルネサンスに繋がったと考えられています。

ではここで、ルネサンス期に活躍した人物や作品についても紹介しましょう。

14世紀から15世紀までの初期ルネサンスに活躍した人物としては、フィレンツェの象徴であるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラ(ドーム型の屋根)を建設したブルネレスキ、『プリマヴェーラ(春)』『ヴィーナスの誕生』を描いたボッティチェッリなどがいます。

続いて、15世紀後半から16世紀初めですが、この期間はルネサンスの全盛期で「盛期ルネサンス」と呼ばれています。

『最後の晩餐』や『モナ・リザ』などの絵画で知られるレオナルド・ダ・ヴィンチ、『ダヴィデ像』に代表される彫刻や『システィーナ礼拝堂天井画』『最後の審判』といった壮大な絵画、ブラマンテが設計したサン・ピエトロ大聖堂の改築など、ジャンルを超えて功績を残したミケランジェロ、壁画『アテネの学堂』が最高傑作とされるラファエロが活躍した時代です。

この3人はルネサンスの三大巨匠と呼ばれています。

また、彼らはいずれもデッサンを重視する「フィレンツェ派」と呼ばれる流派の画家です。

しかし、盛期ルネサンスにおいては、デッサンより色彩に重点を置いた「ヴェネツィア派」と呼ばれる流派も登場しました。

特に、生涯にわたって画業のみに集中し、『フローラ』『ウルビーノのヴィーナス』『ダナエ』など数々の名画を残したティツィアーノは、ヴェネツィア派最大の巨匠と呼ばれています。

そのほか、「最後の晩餐」に宗教的にふさわしくない人物を描き、作品名を『レヴィ家の饗宴』と変更したエピソードが残るパオロ・ヴェロネーゼや、それまで通例であった真正面からではなく斜め上方向から『最後の晩餐』を描いたティントレットもヴェネツィア派の画家です。

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本物のルネサンス絵画を鑑賞できる国内の美術館

ルネサンス絵画のほとんどは海外の美術館で保管・展示されています。

しかし、なかには日本に存在する作品もあるのです。

そこでここからは、本物のルネサンス絵画を鑑賞できる国内の美術館を紹介します。

国立西洋美術館

国立西洋美術館は、株式会社川崎造船所(現在の川崎重工業株式会社)の初代社長・松方幸次郎が収集した「松方コレクション」を展示する美術館です。

彼はヨーロッパで1万点にもおよぶ美術品を買い集めて日本に持ち帰り、それらを展示する「共楽美術館」を建設しようとしていました。

しかし、1927年に起こった経済恐慌により会社が経営危機に陥り、せっかく集めた美術品も売ってしまわねばなりませんでした。

その後、彼が手放した美術品のうち約400点がフランスの国有財産となっていましたが、フランス政府が日仏友好のためにその大部分を「松方コレクション」として日本に寄贈返還してくれたのです。

国立西洋美術館は「松方コレクション」の受け入れと展示のため、1959年に誕生しました。

そんな国立西洋美術館には、パオロ・ヴェロネーゼが描いた『聖女カタリナの神秘の結婚』と、ティントレットが描いた『ダヴィデを装った若い男の肖像』が常設展示されています。

『聖女カタリナの神秘の結婚』には、幼児キリストを抱く聖母マリアとその横にひざまずく聖女カタリナを中心に、背後にはマリアの夫の聖ヨセフ、左下には幼児の姿の洗礼者ヨハネが描かれています。

聖女カタリナとキリストの結婚の場面を描いた絵画です。

また、『ダヴィデを装った若い男の肖像』の「ダヴィデ」とは、旧約聖書に登場するイスラエルの英雄です。

英雄ダヴィデの姿を借りて、同じダヴィデの名を持つ名家の青年を描いた絵画ではないかと言われています。

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東京富士美術館

東京富士美術館は、1983年にSGI(創価学会インタナショナル)会長の池田大作が設立した美術館です。

日本や世界の様々な時代の絵画や版画、写真のほか、陶磁、武具、刀剣なども収蔵しており、特に油彩画と写真のコレクションが充実しています。

また、ルーブル美術館など海外の有名美術館の名品を紹介する展覧会が行われたり、逆にこの美術館の収蔵品をもとにした展覧会が海外で行われたりと、国際的な文化交流にも積極的です。

そして、この東京富士美術館にもパオロ・ヴェロネーゼとティントレットの絵画が収蔵されています。

パオロ・ヴェロネーゼと工房による『少年と騎士見習』と、ティントレットの『蒐集家の肖像』です。

『少年と騎士見習』はもともと、貴族の別荘のドアに描かれた装飾画だったそうです。

後ろを振り返っているのが騎士見習いで、その横にいる貴族の少年が絵の中の架空の扉から鑑賞者のいるこちら側の部屋に入ってこようとしている面白い構図になっています。

また、『蒐集家の肖像』では、横に置かれた金の機械時計とダヴィデの彫刻が男性の趣味を表しています。

背景に描かれている建物は、当時教皇のための要塞として使用されていたサン・タンジェロ城です。

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丸紅ギャラリー

続いて紹介する丸紅ギャラリーは、2021年11月1日に開館した新しいギャラリーです。

丸紅は1858年に繊維中心の卸販売業者として創業した総合商社で、保有する美術コレクションは、着物や帯などの染織品、染織図案、和洋絵画の3本柱で構成されています。

そのうち、現在400点あまり所蔵する染織品は、大正末期の1925年に組成した「名品会」が江戸期の着物を中心に蒐集したもの。

また、現在約600点を数える染織図案は、1927年から主宰する染織図案研究会「あかね会」を通じて、様々なジャンルの芸術家にオリジナルデザインを制作してもらったものです。

そして、和洋絵画のうち近代日本絵画のコレクションは、「あかね会」などを通じて接点のあった画家から蒐集したもの、西洋絵画のコレクションは、1969年から10年間、総合商社として初めて本格的に美術品の輸入販売事業を行ったときに集めたものです。

そんな丸紅ギャラリーには、ボッティチェッリの『美しきシモネッタ』が所蔵されています。

なんとこの絵画は、日本国内にある唯一のボッティチェッリ作品なのです。

描かれているシモネッタ・ヴェスプッチは、15世紀フィレンツェで絶世の美女として時の人となっていた女性です。

1476年に肺結核のため23歳の若さで亡くなりました。

しかし、ボッティチェッリはその後も彼女の絵を描き続けており、一説ではボッティチェッリの傑作『プリマヴェーラ(春)』や『ヴィーナスの誕生』もシモネッタをモデルに描いたと言われています。

丸紅ギャラリーには常設展示がないため、必ずしもこの『美しきシモネッタ』を見られるとは限りませんが、この絵を展示する企画展が開催された際にはぜひ訪れてみてください。

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企画展を開催している美術館

ここまで本物のルネサンス絵画を鑑賞できる国内の美術館を紹介してきました。

ただし、先にも述べたように、ルネサンス絵画の多くは海外の美術館にあります。

それらの絵画は海外に行かなければ見ることができませんが、時々それらの絵画が企画展として国内の美術館にやってくることがあるのです。

例えば、2020年に国立西洋美術館で開催された「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」では、ボッティチェッリの『聖ゼノビウス伝より初期の四場面』やティツィアーノの『ノリ・メ・タンゲレ』が展示されました。

また、2022年に新国立美術館で開催された「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」にて、ラファエロの『ゲッセマネの祈り』やティツィアーノの『ヴィーナスとアドニス』が、同じく2022年に東京都美術館・神戸市立博物館・北九州市立美術館本館を巡回した「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」にて、ラファエロの『「魚の聖母」のための習作』が展示されるなど、今回紹介していない美術館でもルネサンス絵画を含む企画展が開催されることがあります。

最新の企画展情報を入手するには、読売新聞社が運営する美術展の情報サイト「美術展ナビ」がおすすめです。

全国の美術展の検索もできます。

また、書籍としては、ぴあが毎年発行しているムック本『美術展ぴあ』が便利です。

注目の美術展情報が詳しく掲載されており、全国の主要美術館の年間スケジュールがわかる「美術館スケジュール」もついています。

『美術展ぴあ』は書店で購入できるほか、Amazon Kindleや楽天Koboなどの電子版でも購入可能です。

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ルネサンスの雰囲気を感じられる国内の美術館・テーマパーク

ルネサンスの本場・イタリアには当時の建築物がたくさん残っており、今でもルネサンスの雰囲気を感じることができます。

しかしながら、なかなか海外までは行けないという人も多いのではないでしょうか。

そんな人には、海外旅行気分を味わえるテーマパークがおすすめです。

ルネサンス作品を再現していたり、ルネサンス文化をもとにした新しいアートを生み出したりしているところもあります。

ここからは、ルネサンスの雰囲気が感じられる国内の美術館・テーマパークを紹介します。

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大塚国際美術館

大塚国際美術館は、大塚グループが徳島県鳴門市に設立した「陶板名画美術館」です。

瀬戸内海国立公園内にあり、地下3階から地上2階までの5階建て、鑑賞ルートは約4kmと、日本最大級の常設展示スペースを有しています。

世界26カ国の西洋名画約1,000点を陶器の板で原寸大再現しているところが特徴です。

陶板には紙やキャンバスのように経年劣化しないというメリットがあり、作品の写真撮影も許可されています。

大きさだけでなく、色や筆使いまで忠実に再現されているため、本物の名画を見ているかのような迫力が感じられます。

この大塚国際美術館において特に素晴らしいのが、正面玄関の階段を上がったところにある最初の展示、システィーナ・ホールです。

ここでは、ミケランジェロが描いた『システィーナ礼拝堂天井画』と正面壁画の『最後の審判』が完全再現されています。

アーティストの米津玄師さんが2018年末のNHK紅白歌合戦で代表曲「Lemon」を披露したことでも知られている場所です。

このシスティーナ・ホールで歌舞伎を上演する「システィーナ歌舞伎」という企画も行われており、アート好きな人だけでなく歌舞伎ファンの人にも親しまれています。

さらに、大塚国際美術館の地下2階、ルネサンス・バロック絵画のコーナーも必見です。

有名なルネサンス絵画をすべて網羅しているのではと思うほどラインナップが充実しています。

作品名を並べてみると、ボッティチェッリの『受胎告知』『ヴィーナスの誕生』『プリマヴェーラ(春)』『書斎の聖アウグスティヌス』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』『最後の晩餐〈修復前〉』『最後の晩餐〈修復後〉』『岩窟の聖母』『東方三博士の礼拝』『聖アンナと聖母子』『モナ・リザ』『洗礼者聖ヨハネ』『白貂を抱く貴婦人』、

ミケランジェロの『聖家族(ドーニ家の聖家族)』、ラファエロの『アテネの学堂』『聖体の論議』『大公の聖母』『小椅子の聖母』『美しき女庭師』『フォリーニョの聖母』『聖母戴冠(オッディの祭壇画)』『キリストの変容』『バルダッサーレ・カスティリオーネの肖像』『ヴェールの女』、ティツィアーノの『聖母被昇天』『ウルビーノのヴィーナス』『天上の愛と地上の愛(聖愛と俗愛)〈修復前〉〈修復後〉』『アンドロス島のバッカス祭』『手袋の男』、パオロ・ヴェロネーゼの『キリストの磔刑』『ヴィーナスとマルス』、ティントレットの『受胎告知』『十字架を担うキリスト』が、すべて地下2階に展示されています。

また、1階のテーマ展示のコーナーにもティツィアーノの『人生の三世代』とティントレットの『聖マルコの遺体の発見』が展示されているので、見逃さないようにしてください。

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また、地下3階にあるミュージアムショップでは、名画がデザインされたお菓子やグッズを購入できます。

オリジナル図録やミニ陶板もあり、家でアートを楽しみたい人におすすめです。

一部商品はAmazonからも購入できます。

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那須とりっくあーとぴあ

続いて紹介する那須とりっくあーとぴあは、栃木県の那須高原にある日本最大のトリックアート美術館です。

「トリックアート」とは株式会社エス・デーが作り出した造語で、人間の錯覚を利用することで絵が立体的に見えたり、角度によって見え方が変わったり、作品の一部になる体験ができたりするアートのことです。

作品を鑑賞するだけでなく、触ったり写真を撮ったりして楽しめます。

この那須とりっくあーとぴあには「トリックアートの館」「トリックアート迷宮?館」「ミケランジェロ館」の3つの館があり、このうち「トリックアートの館」は現存する最古のトリックアート美術館です。

そのなかで今回紹介するのは、「ミケランジェロ館」です。

ここではイタリア・ルネサンスの三大巨匠であるレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの名作とトリックアートを融合させた作品が展示されており、ちょっと不思議で面白い写真を撮ることができます。

また、ミケランジェロの『システィーナ礼拝堂天井画』や『最後の審判』があるシスティーナ礼拝堂が3/5スケールで再現されており、こちらも圧巻です。

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東武ワールドスクウェア

東武ワールドスクウェアは、栃木県日光市鬼怒川温泉にある世界建築博物館です。

世界の建造物や世界遺産を1/25の縮尺で再現したテーマパークなのですが、ミニチュアとはいえ侮れません。

園内に展示されているパルテノン神殿には本物の大理石を粉末にして使用していたり、警備の関係上、普段は報道関係者であっても見ることのできないアメリカ・ホワイトハウスの玄関の様子が忠実に再現されていたりと、すべての建造物が本物志向で作られています。

また、身長7cmの人形が14万人も置かれていたり、園内に植えられた木々の99%が本物だったりと、建造物以外の演出面まで徹底されています。

人形目線で撮影すれば、本物そっくりな迫力ある写真が撮れるでしょう。

そんな東武ワールドスクウェアには、ミケランジェロが改築を行ったサン・ピエトロ大聖堂が展示されています。

サン・ピエトロ大聖堂は、現在のバチカン市国にある、ローマカトリックの総本山です。

1546年から1624年にかけて作られ、世界遺産にも登録されています。

注目ポイントは、正面屋根中央にあるイエス・キリストの像と、その左右に6体ずつ並べられたキリストの12使徒です。

東武ワールドスクウェアでは、大聖堂はもちろん、その前に広がるサン・ピエトロ広場まで再現しており、人形もここだけで8,500体置かれています。

また、サン・ピエトロ大聖堂はキリスト教の建造物として世界最大級の大きさなので、ミニチュアであってもかなりのスケールが感じられます。

しかも、広場にある時計は本物で実際に動いているのだとか。

観光に訪れた際はぜひ注目してみてください。

そのほか、1386年に建設が始まり1887年に完成したイタリア最大のゴシック建築・ミラノ大聖堂や、9世紀にビザンチン様式で建てられ、その後の改修時にロマネスクやゴシック、ルネサンスなど様々な建築様式が加えられたヴェネツィアのシンボル、サン・マルコ寺院なども見ることができます。

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東京ディズニーシー

「冒険とイマジネーションの海」がキャッチコピーの東京ディズニーシー。

歩いているだけで海外旅行をしている気分になれると、大人にも人気のテーマパークです。

実はこの東京ディズニーシーにも、ルネサンスの雰囲気を感じられる場所があるのです。

それは、パークに入ってすぐのテーマポート(エリア)、メディテレーニアンハーバー。

ここは20世紀初頭の南ヨーロッパ、地中海に面した古き良き港町をテーマとしていて、あちこちにイタリア語の表記が見られます。

このエリアはさらに、イタリア北西部の漁村を再現した「ポルト・パラディーゾ」、水の都ヴェネツィアに着想を得た「パラッツォ・カナル」、大航海時代の要塞がある「エクスプローラーズ・ランディング」の3つに分かれており、それぞれのエリアにルネサンス期の絵画や人物に関連したスポットがあります。

さらに、メディテレーニアンハーバーにあるディズニーホテル「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」も、ルネサンスの雰囲気を味わうのにおすすめのスポットです。

ここからは、これら3つのエリアとホテルそれぞれの注目ポイントを紹介します。

ポルト・パラディーゾ

「ポルト・パラディーゾ」は「パラダイスの港」という意味で、イタリア・リグーリア海岸に実在する「ポルトフィーノ」という小さな町がモデル。

「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」があるエリアで、レストランやショップも多く並びます。

そしてそのなかに、ルネサンス絵画のオマージュ作品を飾っているショップがあるのです。

パーク最大のお菓子のお店「ヴァレンティーナズ・スウィート」と、インテリア雑貨のお店「ヴィラ・ドナルド・ホームショップ」です。

「ヴァレンティーナズ・スウィート」には、カップルを描いた名画のオマージュ作品がたくさん飾られています。

ルネサンス絵画に関連したものとしては、店内にある牛のクララベルとホーレスが描かれた絵画がボッティチェッリの『ヴィーナスとマルス』のオマージュ、

外のショーウィンドウにあるヒューイ・デューイ・ルーイが描かれた絵画がラファエロの『ガラテイアの勝利』のオマージュです。

また、「ヴィラ・ドナルド・ホームショップ」は、ポルト・パラディーゾに住むドナルドという若者が隣の家のデイジエットと結婚したことをきっかけに両家が仲良くなり、2つの家を1つの家に改装した、というバックグラウンドストーリーがあるショップです。

コンセプト自体が『ロミオとジュリエット』のオマージュになっています。

店内に飾られている絵画や像は、元となる作品があるものもないものも、すべてドナルドたちがモデルです。

そのなかのひとつ、ドナルド一族が大集合して結婚祝いの宴を開いている場面が描かれた絵画は、ボッティチェッリの『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語 第3場面』のオマージュ。

そして、天使になったヒューイ・デューイ・ルーイの3人が描かれた絵画は、ラファエロの『システィーナの聖母』に描かれている天使のオマージュです。

これらのショップを訪れた際には、ぜひ店内に飾られている絵画にも注目してみてください。

パラッツォ・カナル

続いて、ヴェネツィアを再現した「パラッツォ・カナル」。

「宮殿の運河」という意味で、「宮殿」はヴェネツィアにあるドゥカーレ宮殿を指しています。

アトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」がメインのエリアです。

実はこのエリア、アトラクションの入り口から運河をはさんで反対側の建物沿いに面白いアート作品を展示したショーウィンドウがずらっと並んでいるのです。

そしてそのなかに、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』の贋作を描いている画家のアトリエがあります。

練習中のようで、本物とは絶妙に異なる、様々な顔の『モナ・リザ』の下書きを見ることができますよ。

エクスプローラーズ・ランディング

最後に紹介する「エクスプローラーズ・ランディング」は、東京ディズニーシーを象徴するプロメテウス火山のふもとにあるエリアです。

大航海時代のイベリア半島にあった要塞がモチーフになっています。

このエリアを語るためには、まず「S.E.A.」という組織について触れないわけにはいきません。

「S.E.A.」は通称で、正式名称は「Society of Explorers and Adventurers」といいます。

このエリアのメインとなるアトラクション「フォートレス・エクスプロレーション」を本拠地として活動する探検家・冒険家学会です。

「S.E.A.」は1538年にレオナルド・ダ・ヴィンチやコロンブス、マルコ・ポーロやヴァスコ・ダ・ガマなど、12人のメンバーによって設立されました。

なお、これらの創設メンバーはみな実在の人物ですが、「S.E.A.」は架空の組織です。

彼らの目的は各々の旅路での新たな発見、知識、芸術を世界中へ広めること。

「S.E.A.」の紋章には、冒険を象徴するガリオン船、ロマンスを象徴するアーミーラリー天球、発見を象徴する羅針盤、発明を象徴する鉛筆や彫刻道具が描かれています。

ここまで紹介した「S.E.A.」のストーリーはそもそも、東京ディズニーシー「フォートレス・エクスプロレーション」のオリジナルストーリーでした。

しかしその後、2013年に香港ディズニーランドに誕生した「ミスティック・マナー」というアトラクションの舞台、ヘンリー・ミスティック卿の邸宅内に、1899年に「S.E.A.」のメンバーが会合を行ったとみられる絵画が飾られていたことから、その存在は世界中に知られることとなりました。

絵画にはヘンリー・ミスティック卿とともに、「タワー・オブ・テラー」の舞台、ホテルハイタワーのオーナーであるハリソン・ハイタワー3世も描かれており、2人とも「S.E.A.」の会員だったことがわかります。

これ以降、世界中のディズニーパークで「S.E.A.」に関連したアトラクションやレストランが続々と誕生するようになりました。

東京ディズニーシーの「ソアリン:ファンタスティック・フライト」もそのひとつ。

舞台となっているファンタスティック・フライト・ミュージアムの2代目館長、カメリア・ファルコは、「S.E.A.」初の女性メンバーです。

また、ファンタスティック・フライト・ミュージアム自体が現在「S.E.A.」によって運営されており、「S.E.A.」が今日も活動を続けていることがわかります。

さらに、建物の外壁には彼女と同じく空を飛ぶことを夢見たレオナルド・ダ・ヴィンチの肖像画が描かれています。

さて、話を「S.E.A.」誕生の地、「フォートレス・エクスプロレーション」に戻しましょう。

ここは、大航海時代の要塞や、「ルネサンス号」の名を持つガリオン船の中を自由に歩いて回れる、探索型のアトラクションです。

アトラクションの列に並ぶ必要がなく、いつでも好きなときに訪れ、好きなだけ滞在することができます。

ちなみに、この要塞はもともとスペイン国王カルロス1世(神聖ローマ帝国皇帝カール5世)が建てたもので、その後「S.E.A.」に譲渡された、というストーリーになっています。

そんな要塞には全部で7つの部屋があるのですが、ここではそのうち、ルネサンスの三大巨匠のひとりとされるレオナルド・ダ・ヴィンチに関連した2つの部屋を紹介しましょう。

1つ目は「エクスプローラーズ・ホール」です。

この部屋には、「S.E.A.」の創設メンバーで現在は名誉会員となったレオナルド・ダ・ヴィンチら12人の肖像画が飾られています。

また、その下に描かれた壁画には年表がついていて、16世紀までの冒険の軌跡を知ることができます。

2つ目の部屋は「チェンバー・オブ・プラネット」です。

この部屋には、16世紀当時考えられていた惑星の配置を再現した、太陽系の大きな模型が置かれています。

水星・金星・地球・火星・木星・土星の6つの惑星があり、それぞれに備え付けられたハンドルを回すと惑星が太陽の周りを回転する仕組みになっています。

ドーム型の天井には様々な星や星座が描かれており、まるでプラネタリウムのよう。

そして壁には、レオナルド・ダ・ヴィンチによる太陽系の研究内容が描かれています。

彼は研究内容を解読されないよう、鏡文字を使って暗号化していました。

ここの壁に描かれた文字も読めないものばかりです。

彼がどのような研究を行っていたか、絵を見ながら想像を巡らせてみるのも面白いかもしれません。

さらに、この「フォートレス・エクスプロレーション」には、「ザ・レオナルドチャレンジ」という謎解き体験型のアトラクションもあります。

地図に書かれた謎を解いて要塞やガリオン船内のチェックポイントを回り、ゴールを目指すアトラクションです。

12時から開催しており、制限時間はありません。

そのため、途中で謎解きをやめてエリアを離れ、あとで戻ってきてから続きに挑戦する遊び方もできます。

ただし、暗くなると見えにくくなったり入れなくなったりする場所があるため、夕刻までにクリアする必要があります。

また、ショーが開催されている間はガリオン船に入ることができません。

ショーが終われば再度入れるようになるので、それまで待ちましょう。

アトラクションの入り口は「マゼランズ」というレストランの左隣で、最初にキャストさんから地図が手渡されます。

この地図は全部で4種類あり、すべてルートが異なります。

また、段差のないルートで回れる地図もあるため、車椅子を利用している方でも参加可能です。

地図を受け取ると、鏡のある部屋に通されます。

そこでは地図についての説明を受けるのですが、なんと鏡にレオナルド・ダ・ヴィンチの姿が現れ、直々に任務の説明をしてくれます。

その任務とは、プロメテウス火山の溶岩が砦に流れ込むのを防ぐために科学者たちが発明した「溶岩コントロールステーション」のひとつを見つけだすというもの。

説明を受けたらいよいよ謎解きのスタートです。

最後の謎をクリアするとレオナルド・ダ・ヴィンチに「S.E.A.」の会員として認めてもらえます。

地図に「S.E.A.」の紋章を押すこともできるので、「フォートレス・エクスプロレーション」を訪れた際は思い出づくりもかねてぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ

「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」は、パークの中に宿泊できるディズニーテーマパーク一体型ホテルです。

イタリアンクラッシックがコンセプトで、ロビーにはルネサンス建築のスタイルが採用されています。

ここの天井画も素晴らしいのですが、今回特に紹介したいのはホテル内にある「ミッキランジェロ・ギフト」というショップです。

見てわかるとおり、「ミッキー」と「ミケランジェロ」を合体させた名前がつけられています。

店内は芸術家「ミッキランジェロ」のアトリエになっており、制作途中の天井画や彫刻を見ることができます。

そして、ここの天井画はミケランジェロの『システィーナ礼拝堂天井画』のオマージュ作品なのです。

『システィーナ礼拝堂天天井画』は様々な場面や神・人物が描かれた絵画で、ミニーが座っている姿は「デルフォイの巫女」、クララベルが本を広げている姿は「リビアの巫女」、デイジーが本を広げている姿は「エリュトライの巫女」、クララ・クラックが本を広げている姿は「クーマの巫女」がモデルになっています。

また、ショップ入り口近くにある、ミニーが指を差している絵は、同じく『システィーナ礼拝堂天井画』の「日と月と草木の創造」のオマージュです。

なお、「ミッキランジェロ・ギフト」はホテル宿泊者以外の人も利用可能です。

ミラコスタオリジナルグッズも購入できるので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

ただし、一部宿泊者しか買えない限定グッズがあるので、気になる人は宿泊を検討してみてください。

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最新情報は『ディズニーファン』で

さて、ここまで東京ディズニーシーのルネサンス関連スポットを紹介しましたが、パークは常に進化し続けています。

今回紹介した場所や「S.E.A.」のストーリーにも変化があるかもしれません。

東京ディズニーシーの最新情報を知るためには、ディズニーオフィシャルマガジン『ディズニーファン』がおすすめです。

『ディズニーファン』は東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのオフィシャルスポンサーである講談社から毎月25日頃発売されている月刊誌で、パークの最新情報からアニメ、映画、音楽、ゲーム、グッズに至るまで、ディズニーに関する情報がまとめられています。

アトラクションやレストランなどのバックグラウンドストーリーに迫るトリビアが掲載されることもあり、ディズニーファン必見です。

『ディズニーファン』は書店で購入できるほか、Amazon Kindleや楽天Koboなど、電子版も販売されています。

さらに、Kindle Unlimited会員なら追加料金なしで読み放題です。

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イタリア・ルネサンス文化に触れてみて

14世紀に始まり16世紀まで続いたイタリア・ルネサンス。

この時代に活躍したパオロ・ヴェロネーゼやティントレット、ボッティチェッリの絵画は、国内の美術館で実際に鑑賞できます。

また、海外の美術館にあるルネサンス絵画が日本にやってくる企画展が開催される可能性もあるため、「美術展ナビ」や『美術展ぴあ』などを活用してこまめに最新情報をチェックしておくと良いでしょう。

一方、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロのルネサンス三大巨匠の作品が見たい場合は、陶板やトリックアートで名画を再現した美術館がおすすめです。

イタリアへ足を運ぶのが難しいという人も、国内のテーマパークでルネサンスの雰囲気を味わうことができます。

テーマパークならではのこだわりや自由な発想は、私たちに本物を見るときとはまた違った楽しみ方をさせてくれます。

イタリア・ルネサンス文化に興味がある人は、ぜひ今回紹介したスポットを訪れてみてはいかがでしょうか。


運営者
かなづち

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