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『マノン・レスコー』で出世したプッチーニの代表作6選!オペラの鑑賞方法4種も

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イタリアのオペラ作曲家・プッチーニ。

彼が残した数々の作品は今日においても世界中で上演されています。

この記事では、プッチーニのオペラのなかから代表的な作品を6つ紹介します。

また、実際に彼のオペラを観てみたいという人のために、オペラの鑑賞方法についてもまとめました。

お金がかかりそう、ストーリーが理解できるか心配、チケットの取り方がわからないなどの不安を抱く人も、この記事を読めばオペラがぐっと身近な存在に感じられるようになりますよ。

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プッチーニとオペラの基礎知識

プッチーニの作品についてよりよく理解するために、まずはプッチーニとオペラに関する基本的な知識を身につけておきましょう。

以下に、作曲家プッチーニの簡単なプロフィールと、混合されがちなオペラとミュージカルの違いについて紹介します。

ジャコモ・プッチーニのプロフィール

プッチーニは1858年、イタリアのルッカに生まれました。

5代続く音楽家の家系で、先祖代々の名を受け継いでいるため、フルネームはジャコモ・アントニオ・ドメニコ・ミケーレ・セコンド・マリア・プッチーニ(Giacomo Antonio Domenico Michele Secondo Maria Puccini)とかなり長くなっています。

彼も若くしてオルガン奏者になりましたが、1876年にジュゼッペ・ヴェルディのオペラ『アイーダ』を観たことをきっかけに、オペラ作曲家に転身することを決意します。

そして、ミラノ音楽院で作曲について学んだのち、1884年に『妖精ヴィッリ』でオペラ作曲家としてデビューしました。

その後彼は、1924年に亡くなるまで、合計12のオペラを手がけています。

彼が生み出した叙情的で美しいメロディと親しみやすい作風は大衆的な人気を獲得し、先述したヴェルディに次ぐイタリア・オペラの名作曲家と称されています。

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オペラとミュージカルの違い

ところで、オペラとよく似た舞台作品にミュージカルがあります。

歌唱によりストーリーが展開するという点ではどちらも同じですが、この2つはどう違うのでしょうか。

まず歴史的には、オペラが先に誕生し、そこから派生してミュージカルが生まれています。

オペラは16世紀末にイタリアで誕生した舞台芸術で、貴族や上流階級などの富裕層が楽しむものでした。

その後19世紀半ばのフランスにて、オペラにセリフを加え、よりエンターテインメント性を高めた舞台芸術・オペレッタが誕生します。

このオペレッタにポピュラー音楽が取り入れられ、さらに大衆向けに変えられたものがミュージカルです。

19世紀後半のアメリカ・ブロードウェイで誕生しました。

また、技術的な面でもこの2つはさまざまな点が異なります。

オペラでは主にクラシック音楽が使用され、オーケストラが舞台にあわせて生演奏します。

セリフも含めて歌で表現され、マイクは使わずベルカント唱法という独特な歌唱法で客席に生の歌声を届けるところが特徴です。

さらに、ダンスシーンがある場合には歌手は踊らず、専門のダンサーが踊ることになっています。

一方のミュージカルでは、ポップスやジャズ、ロックなど、さまざまなジャンルの音楽が使用され、事前に録音された音源を流すことが一般的です。

歌とセリフが分かれており、ポピュラー音楽の発声法で歌います。

さらには、演技やダンスまですべて役者が行わなければならず、動きが激しいため、マイクが使われます。

このように、オペラでは歌が最重要視されるのに対し、ミュージカルでは歌・演技・ダンスなどの複数の要素が重視されるところが大きな違いです。

そのため、オペラは「歌劇」、ミュージカルは「演劇」と呼ばれ、出演者の呼称も前者は「オペラ歌手」、後者は「ミュージカル俳優」とそれぞれ異なっているのです。

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プッチーニの代表作

ここからは、プッチーニの代表作について、あらすじやアリアなどを含めて紹介します。

アリアというのは作中で歌われる独唱曲で、オペラの聴きどころです。

有名なアリアはコンサートなどでも単独で歌われているため、オペラを観たことがない人でもどこかで聴いたことがあるかもしれません。

ここでは参考として新国立劇場の公演映像を添付しているので、ぜひ実際に曲を聴き、作品の雰囲気に触れてみてください。

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マノン・レスコー(Manon Lescaut)

『マノン・レスコー』は、アベ・プレヴォーによる同名小説をもとにしたオペラです。

プッチーニによる3作目のオペラで、彼はこの作品を機に脚光を浴びるようになりました。

18世紀のフランス、享楽的な性格で次々と男性を虜にするマノンと、そんな彼女を盲目的に愛し献身を捧げる騎士デ・グリューの愛と転落の物語です。

映像の場面は第2幕、デ・グリューとマノンによる二重唱「愛しい人(Tu, tù, amore)」。

デ・グリューとの貧しい暮らしに耐えきれず、財務大臣の愛人になったマノンのもとにデ・グリューが現れたところです。

彼は自分を裏切ったマノンを非難しますが、マノンが彼への愛を訴えるとデ・グリューも彼女への愛を抑えきれなくなるのでした。

オペラでは原作のストーリーが短くまとめられており、展開がわかりにくいところもあるため、事前に原作を読んでから鑑賞することをおすすめします。

原作のあらすじなどは以下の記事にまとめています。

また、第2幕と第3幕の間に演奏される間奏曲は、オーケストラやコンサートなどにおいて単独で演奏されることもある曲です。

吹奏楽コンクールでもよく演奏されるため、聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。

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ラ・ボエーム(La Bohème)

『ラ・ボエーム』は1830年代のパリを舞台に、屋根裏部屋で暮らす若くて貧しい芸術家4人の暮らしを描いた物語で、アンリ・ミュルジェールによる小説『ボヘミアン生活の情景』が原作です。

のちに紹介する『トスカ』『蝶々夫人』と並んでプッチーニ三大オペラのひとつとされており、有名なアリアがたくさん登場します。

代表的なのが、第1幕で詩人・ロドルフォが歌う「冷たい手を(Che gelida manina)」。

ロドルフォが部屋に1人でいるところに、ミミという女性がろうそくの火をもらいにやってきます。

ミミは火をもらって出ていきますが、鍵を落としてしまったことに気づき再び部屋に戻ってきます。

しかし風でろうそくの火が消えてしまい、2人が手探りで鍵を探しているそのとき、お互いの手が触れあうのでした。

そこでロドルフォが歌うこのアリアは、自分が詩人であることを紹介するとともに、ミミへの恋心を打ち明ける曲になっています。

また、それに応えてミミが自己紹介するアリア「私の名はミミ(Sì, mi chiamano Mimì)」も有名な曲です。

その後場面は、恋に落ちた2人が歌う二重唱「愛しい乙女よ(O soave fanciulla)」へと続きます。

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トスカ(Tosca)

プッチーニの三大オペラのひとつとされる『トスカ』は、ヴィクトリアン・サルドゥによる同名の戯曲が原作。

ナポレオンが活躍していた1800年のローマを舞台に、女性歌手トスカとその恋人のカヴァラドッシが運命に翻弄される姿を描いた作品です。

このオペラでは、「歌に生き、愛に生き(Vissi d’arte, vissi d’amore)」と「星は光りぬ(E lucevan le stelle)」の2つのアリアが特に有名です。

どのような場面で歌われるアリアなのか、以下に簡単なストーリーを紹介しましょう。

画家のカヴァラドッシは脱獄してきた政治犯の友人・アンジェロッティを匿います。

警視総監のスカルピアはそのことを嗅ぎつけると、カヴァラドッシの恋人であるトスカに、カヴァラドッシとアンジェロッティの妹が浮気しているとほのめかし、彼女の嫉妬心に火をつけます。

そしてスカラピアは、怒ってカヴァラドッシのもとへ向かうトスカを尾行するよう部下に命じ、政治犯のアンジェロッティと美しいトスカを2人とも手に入れようと決意するのでした。

続く第2幕では、カヴァラドッシがスカルピアのもとに連行されてきます。

スカルピアは部下に彼を拷問させ、彼の叫び声をわざとトスカに聞かせます。

耐えきれなくなったトスカは、ついにアンジェロッティの居場所を白状してしまいました。

そして、カヴァラドッシは死刑囚として収監されることになるのですが、スカルピアは彼を解放する代わりにトスカの身体を要求します。

その際、トスカが苦悩とともに歌うのがこの「歌に生き、愛に生き」です。

彼女はスカルピアの要求を受け入れることにするのですが…。

もうひとつの有名なアリア「星は光りぬ」は、続く第3幕の冒頭でカヴァラドッシが歌う曲です。

死刑を待つ牢獄のなか、彼はトスカへ別れの手紙を書きながら愛の日々を思い出し、自らの運命に絶望するのでした。

その後、カヴァラドッシのもとにトスカがやってくるのですが、2人の愛はどのような結末を迎えるのでしょうか。

また、話は戻りますが、第1幕の幕切れ、トスカが立ち去ったあとの教会にて、教会の人々の賛美歌とともにスカルピアが自らの欲望を歌い上げる「テ・デウム(Te Deum)」も本作の見どころのひとつです。

音楽の素晴らしさとセットの豪華さが圧巻の場面です。

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蝶々夫人(Madama Butterfly)

プッチーニの三大オペラ、最後のひとつは『蝶々夫人』です。

アメリカの海軍士官ピンカートンに身請けされた芸者の蝶々さんが、夫の帰りを一途に待ち続ける姿を描いた物語です。

明治時代の長崎を舞台としているため、日本人にとっては親しみやすい作品だといえるでしょう。

詳しいあらすじは以下のダイジェスト映像で紹介されているため、ぜひ見てみてください。

この作品にも聴きどころがたくさんありますが、特に有名なのは第2幕で蝶々さんが歌うアリア「ある晴れた日に(Un bel dì)」です。

ピンカートンが日本を去って3年、なお彼の帰りを信じている蝶々さんが、彼が帰ってくる日のことを想って歌う曲で、ダイジェスト映像で最初に流れるメロディがこの曲です。

また、映像の中盤には蝶々さんがこのアリアを歌っている場面が登場します。

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ジャンニ・スキッキ(Gianni Schicchi)

『ジャンニ・スキッキ』はニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されたオペラで、プッチーニ「三部作」のひとつです。

この初演時、『外套(Il tabarro)』『修道女アンジェリカ(Suor Angelica)』『ジャンニ・スキッキ』の3作品が一夜にして連続で上演されたため、これらをあわせて「三部作」と呼びます。

ただし、今日ではすべて連続で上演されることは少なく、単独あるいはほかの作品と組み合わせて上演されています。

なかでもこの『ジャンニ・スキッキ』は、「三部作」のうち最も評価が高く、プッチーニが作曲した唯一の喜劇オペラとしても知られている作品です。

物語は、大金持ちのブオーゾが亡くなったところから始まります。

遺言状には遺産をすべて修道院へ寄付すると書かれており、みなが落胆するなか、親族のひとりであるリヌッチョがスキッキに相談してはどうかと提案します。

彼はスキッキの娘・ラウレッタと付き合っているのですが、親族から結婚を反対されていたのです。

彼らから相談を受けたスキッキは、娘とリヌッチョのためにこの遺産問題を引き受け、遺言書の作り替えを提案します。

以下に紹介する映像は、2019年に新国立劇場で本作がアレクサンダー・ツェムリンスキーの『フィレンツェの悲劇(Eine florentinische Tragödie)』とともに上演された際のもの。

どちらもフィレンツェが舞台の作品です。

映像の後半に登場するのが『ジャンニ・スキッキ』で、一目見ただけでも喜劇だということがわかるのではないでしょうか。

また、この作品において有名なのは、アリア「私のお父さん(O mio babbino caro)」。

遺産問題を解決してほしいという頼みを断ったスキッキに対して、娘のラウレッタが「リヌッチョを愛しているからお願い」と懇願する曲です。

以下に、20世紀最高のソプラノ歌手といわれたマリア・カラスによる歌唱映像を紹介します。

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トゥーランドット(Turandot)

プッチーニが最後に手がけたオペラ、それが『トゥーランドット』です。

フランソワ・ペティ・ド・ラ・クロワの『千一日物語』に収められた「カラフ王子と中国の王女の物語」をもとにカルロ・ゴッツィが作った戯曲『トゥーランドット』が原作です。

残念なことに、プッチーニは本作第3幕の途中まで作曲したところで亡くなってしまったため、そこから先はプッチーニの残した草稿をもとに友人のフランコ・アルファーノが完成させました。

作品の舞台は北京。

皇帝の一人娘・トゥーランドット姫と結婚するには、彼女が出題する3つの謎を解かなければなりません。

謎を解けなかった場合は首を切られるのが決まりとなっており、その日はペルシャの王子が処刑されることになっていました。

準備が進む城門前では処刑を見ようと野次馬が集まっています。

戦争に負け、国を追われたダッタン国王の息子・カラフ王子は、処刑の場に現れたトゥーランドット姫の姿を一目見るなり恋に落ち、父親のティムール王やカラフ王子を愛する元奴隷のリューの制止も聞かず、謎への挑戦を決意するのでした。

第2幕ではいよいよトゥーランドット姫がカラフ王子に3つの謎を出題します。

彼は見事すべての謎を解きますが、トゥーランドット姫は彼との結婚を拒否。

そこでカラフ王子は、もし夜明けまでに自分の名前を当てたら自分は死ぬと、今度は彼の方から姫に謎を出します。

そして続く第3幕、冒頭の場面でカラフ王子が歌う「誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)」は、プッチーニのアリアのなかで最も有名な曲といえるでしょう。

2006年に開催された冬季トリノオリンピックの女子フィギュアスケート・フリースケーティングの演技で荒川静香選手がこの曲を使用し、金メダルを獲得したことでも知られています。

異国からやってきたカラフ王子が、自分の名を知るものはいないと勝利を確信する曲です。

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プッチーニのオペラを鑑賞するおすすめの方法

プッチーニのオペラに興味が出てきたら、ぜひ実際に鑑賞してみてはいかがでしょうか。

彼の作品は国や世代を問わず人気があり、上演される機会も多くあります。

そこでここからは、プッチーニのオペラを鑑賞するさまざまな方法を紹介します。

オペラ公演を行っている劇場や団体、チケットの取り方なども解説しているので、これまでオペラを観に行ったことがない人も参考にしてみてください。

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本場イタリアに行く

プッチーニのオペラは世界中さまざまな劇場で上演されています。

しかし、せっかくなら彼が生まれたオペラの本場・イタリアに行ってみてはいかがでしょうか。

イタリアには三大歌劇場と呼ばれるオペラの劇場があります。

1つ目は『蝶々夫人』や『トゥーランドット』の初演が上演されたミラノのスカラ座(Teatro alla Scala)。

イタリア・オペラ界最高峰といわれ、世界三大劇場のひとつにも数えられている劇場です。

2つ目は『トスカ』の初演が上演されたローマ歌劇場(Teatro dell’Opera di Roma)。

「ローマ・オペラ座」「コンスタンツィ劇場」と呼ばれることもあります。

ローマの中心にあるテルミニ駅から徒歩約10分の距離にあり、観光の際に立ち寄りやすい劇場です。

最後の3つ目はナポリにあるサン・カルロ劇場(Teatro di San Carlo)。

1737年に建設され、現役で稼働しているオペラハウスとしてはヨーロッパ最古の劇場です。

これらの劇場では、毎年オペラやバレエ、コンサートなどさまざまな公演が行われています。

ただし、どの劇場にもオペラシーズンというものがあり、オフシーズンとなる夏は公演が行われません。

ミラノのスカラ座は12月7日の聖アンブロジウスの日から、ローマ歌劇場はこの劇場で初めてオペラ公演が行われた記念日の11月27日から、そしてサン・カルロ劇場も11月中にシーズンが始まります。

なお、ローマ歌劇場のオフシーズン期間中には、カラカラ浴場で毎年野外公演が開催されることになっており、こちらでもオペラを楽しむことができます。

では、これらの劇場のチケットはどのようにして取るのでしょうか。

基本的には、劇場の窓口で購入する方法、劇場の公式Webサイトから購入する方法、オペラ鑑賞のプランが組み込まれた観光ツアーに申し込む方法などがあります。

当日券を購入したい場合は劇場の窓口に行っても良いのですが、あらかじめ観たい演目や日時が決まっている場合は事前予約がおすすめです。

ただし、上記で紹介した劇場の公式Webサイトはイタリア語または英語にしか対応していないため、購入手続きに不安がある人は観光ツアーを検討しましょう。

チケット代に手数料が加算されてしまいますが、旅行会社にすべての手続きを任せることができます。

また、オペラの公演は夕方から夜に始まることが多いため、日中に別のオプショナルツアーに参加することも可能です。

昼は観光名所を巡り、一度ホテルに戻ってジャケットやワンピースなどのセミフォーマルに着替え、夜は劇場でオペラ鑑賞、というスケジュールにすれば、イタリアでの滞在期間が短くても充実した時間が過ごせるでしょう。

そして、オペラを観る際に気になるのは座席ではないでしょうか。

ミラノのスカラ座には約2,000席、ローマ歌劇場には約1,600席、サン・カルロ劇場には約1,400席の座席があります。

また、座席の種類は、舞台正面に広がる平土間席のプラテア(Platea)、サイドバルコニーでボックス席のパルコ(Palco)、最上階にある天上桟敷席のバルコニー(Balconata)またはガレリア(Galleria)の3種類に分かれています。

プラテアが最も良い席で値段が高く、バルコニーやガレリアが最も安い席です。

ただし、実際のチケットの価格設定は、劇場によって異なるものの、列や配置によりさらに細かく分けられています。

プラテアやパルコの最前列であれば舞台がよく見えますが、それ以外の席の場合は視界が悪いこともあるので注意しましょう。

ちなみに、ミラノのスカラ座では各座席の前に、ローマ歌劇場とサン・カルロ劇場では舞台の上部に字幕が出ます。

しかし、どの劇場も日本語には対応しておらず、ミラノのスカラ座はイタリア語と英語、ローマ歌劇場は上演言語と英語、サン・カルロ劇場は英語字幕となっています。

また、イタリア語や英語が分かる人であっても字幕を追っていると舞台に集中できないため、オペラを鑑賞する際は事前にストーリーを予習しておくと良いでしょう。

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国内の劇場に行く

プッチーニのオペラに興味はあるけれどイタリアに行くのは難しい。

そのような人は、国内の劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

日本では新国立劇場でオペラが上演されています。

新国立劇場には、オーケストラピットが常設された、オペラパレスという名前のオペラ・バレエ専用劇場があります。

座席数は約1,800席で、3層のバルコニー席が周囲を囲む4階建てです。

また、メインキャストに海外の有名オペラ歌手が起用されることが多く、一年を通して世界レベルの公演を観ることができる国内唯一の劇場だといえるでしょう。

オペラシーズンは9月から翌年7月までで、毎年1月頃に次のシーズンが発表されます。

チケットは新国立劇場ボックスオフィスの窓口・電話・Webサイトのほか、セブンイレブンの店舗や、チケットぴあ・イープラス・ローソンチケットなどのプレイガイドからも購入可能です。

高齢者割引や学生割引、ジュニア割引や団体割引もあり、新国立劇場友の会「クラブ・ジ・アトレ」に入会すると、チケットを割引料金で購入できたり、1シーズンのチケットをまとめて一度に申し込めるシーズンセット券を購入できたりする特典が受けられます。

日本での公演とはいえオペラ自体は上演言語、つまりプッチーニのオペラならイタリア語で上演されますが、舞台の左右に日本語と英語の字幕が表示されるので、ストーリーについていけなくなる心配はありません。

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また、ときには日本でオペラの引っ越し公演が行われることもあります。

引っ越し公演というのは、海外で上演されているオペラの舞台セット・オペラ歌手・合唱団・オーケストラなどのすべてが丸ごとやってくる、来日公演のことです。

チケット代が高く、開催も不定期ではありますが、あまり海外旅行ができない人にとっては、日本にいながら本場のオペラを観ることができる貴重な機会です。

引っ越し公演の発表があったら、ぜひスケジュールや演目をチェックしてみましょう。

このほか、日本には民間のオペラ団体があり、そこでもプッチーニのオペラが上演されることがあります。

民間のオペラ団体としては、日本オペラ振興会の藤原歌劇団二期会が有名です。

藤原歌劇団は1934年に日比谷公会堂でプッチーニの『ラ・ボエーム』を上演したことからその歴史が始まる日本最古のオペラ団体で、西洋オペラを上演しています。

日本オペラ振興会にはもうひとつ、日本オペラ協会があり、こちらは日本のオペラを日本語で上演するという新しい試みに挑戦している団体です。

また、二期会は1952年に結成された声楽家団体がそのルーツで、現在は東京二期会のことを指します。

地域により関西二期会、北海道二期会などがあり、それぞれが独自にオペラ公演を行っています。

チケットはどちらも公式Webサイトや各プレイガイドなどから購入可能です。

これらの団体は日本各地のさまざまな会場でオペラ公演を行っているので、地元にいながらオペラを観ることができます。

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映画館に行く

オペラなのに映画館? と思った人もいるかもしれません。

実は近年、海外の有名劇場がオペラを映画館で上映する取り組みを行っているのです。

実際にオペラを観に行くのは敷居が高いと感じる人でも、映画館なら服装やマナーを気にする必要がないため、気軽に楽しめるでしょう。

日本の映画館で観ることのできるオペラとしては、ニューヨークにあるメトロポリタン歌劇場の「METライブビューイング」と、ロンドンにあるロイヤル・オペラ・ハウスの「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」があります。

メトロポリタン歌劇場は、プッチーニのオペラ『ジャンニ・スキッキ』の初演が上演された劇場で、ミラノのスカラ座と並んで世界三大劇場に数えられています。

2006年からオペラの映画館上映をスタートさせた、ライブビューイングのパイオニア的存在です。

最新シーズン・オペラが上演のわずか数週間後に日本語字幕付きで上映され、歌手やスタッフへのインタビューやステージ転換などのバックステージ映像まで観ることができます。

もうひとつのロイヤル・オペラ・ハウスは、4階建ての円形観客席がイギリスの指定建造物に指定されている、世界最高レベルの劇場です。

オペラだけでなくバレエも映画館で上映しており、どちらも開演前と幕間に解説やインタビュー映像が流れます。

どちらのオペラも、47都道府県ではないものの、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・九州各地方の映画館で上演されており、上映映画館のWebサイトからチケットの購入が可能です。

リーズナブルな金額にもかかわらず、迫力ある音響と大スクリーン、歌手の表情をアップで観られるカメラワークにより、まるで最前列でオペラを鑑賞しているかのような体験ができます。

また、映画館では舞台裏を紹介する特別映像を観ることができるので、普段からオペラを観に行っている人も新たな発見ができるかもしれません。

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Blu-ray・DVDやCDを買う

より気軽にプッチーニのオペラが観たいという人は、Blu-rayやDVDの購入がおすすめです。

事前の予習やオペラの雰囲気を感じたい人はもちろん、気になる演目が上演されていないときでもBlu-rayやDVDならいつでも観ることができて便利です。

日本語字幕がついているものを選べば、ストーリーもちゃんとわかります。

また、プッチーニのオペラはCD化もされており、音楽と歌の素晴らしさを味わいたい人におすすめです。

もちろん、プッチーニ作品の舞台映像や収録音源は種類がたくさんあり、同じ作品でも演出や歌手が変われば印象も変わるので、いくつか比較してみても面白いでしょう。

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プッチーニのオペラを観てみよう

この記事ではプッチーニの代表作として、『マノン・レスコー』『ラ・ボエーム』『トスカ』『蝶々夫人』『ジャンニ・スキッキ』『トゥーランドット』の6作品を紹介しました。

彼が作曲した曲は、「ある晴れた日に」や「誰も寝てはならぬ」などでも知られるように、心を揺さぶる美しいものが多いのが特徴です。

アリアだけ聴いても素晴らしいですが、オペラのストーリーのなかで、オーケストラの生演奏とともに歌手が歌うのを聴けば、より一層感動します。

また、彼のオペラは比較的ストーリーがわかりやすいため、初心者の人でも観やすいでしょう。

海外や国内の有名劇場に足を運べば、壮大な舞台装置ときらびやかな衣装に加え、劇場内の雰囲気にも酔いしれることができます。

また、新国立劇場は日本語字幕に対応していますし、映画館やDVDなどでもオペラの鑑賞は可能です。

劇場の幕が上がればそこに広がるのは非日常の世界。

これまでオペラ鑑賞を躊躇していた人も、これを機に思いきってオペラの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。


運営者
かなづち

国立大学にて日本文学を専攻。
一般企業に就職したのち、フリーランスのWebライターに転身。
クラウドソーシングサイトを通じて、大手出版社が運営する本のポータルサイトに書籍レビュー記事を投稿した経験を活かし、2019年に書籍・情報サイト「いかけや日記」を開設。
2020年頃、宝塚歌劇団のファンに。
舞台の原作本を読む機会が増えたことから、2024年、「いかけや日記」を宝塚原作本の紹介を中心としたサイトへとリニューアル。
なお、読書スピードは超スロー。

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