皆さんはマニキュアを買うとき、何を基準に選んでいますか。
色、瓶のデザイン、価格などに注目している人がほとんどでしょう。
しかし、たまにはマニキュアをストーリーで選んでみませんか。
この記事では、ネイル好き・読書好きの人たちの間で話題になっているネイルブランド「et seq.(エセク)」を紹介します。
ブランドの特徴
「et seq.(エセク)」は2018年に台湾で誕生したネイルブランド。
ブランド名は英文文書でよく使われる「et sequens(以下参照)」を略したものだそうです。
2020年からは日本での販売も始まり、主力商品である「羽根ペンネイルポリッシュ」がSNS等で話題になっています。
人気の理由は、おしゃれなパッケージデザインと文学モチーフのカラーバリエーションにあります。
ぷっくりと丸みを帯びたボトルと、キャップの上に伸びる大きな羽根。
まるでインク瓶と羽根ペンのような落ち着いた見た目で、一見するとネイルポリッシュだとはわかりません。
インテリアとしてデスクや棚に並べておくだけでもおしゃれです。
そして、ボトルのラベルには「十二夜」「戦争と平和」「人間失格」などと名作のタイトルが。
この「羽根ペンネイルポリッシュ」のカラーは、どれも文学作品や登場人物、作家などからインスピレーションを得たものなのです。
名作の世界観を表現したポリッシュを羽根ペンのようなブラシで爪に塗る。
この“文学ネイル”を使えば、お気に入りの作品の世界観を指先にまとうことができてしまうのです。
商品① ネイルポリッシュ
「et seq.」のネイルアイテムには、ネイルポリッシュとイージージェルの2種類があります。
このうち、ブランドの顔にもなっているのが「羽根ペンネイルポリッシュ」です。
塗って乾かすだけの一般的なマニキュアで、ネイルリムーバーでオフできます。
また、仕上げにトップコートを塗ると爪にツヤが出て色も長持ちします。
「et seq.」からは「羽根ペンネイルポリッシュ」とお揃いのボトルのトップコートが販売されているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
ここからはネイルポリッシュの商品ラインナップとおすすめカラーを紹介します。
ラインナップ一覧
「et seq.」のネイルポリッシュは、「文学者コレクション」「名作コレクション」「スペシャルコレクション」の3つに分類されています。
「文学者コレクション」
最初に紹介する「文学者コレクション」には、ヴァージニア・ウルフ、フランツ・カフカ、シェイクスピア、ヴィクトル・ユゴー、レフ・トルストイ、ジェーン・オースティン、宮澤賢治、太宰治、京極夏彦、江國香織の作品がラインナップされています。
上記のうち、京極夏彦シリーズの「NK9601 鉄鼠の檻」だけマグネットが付いたマグネットネイルになっています。
マグネットネイルというのは、ポリッシュのなかに鉄粉が含まれたアイテムのことです。
爪に塗ったあとに磁石を近づけると鉄粉が反応し、幻想的な模様に変わります。
光の当たり具合で見え方が変化することや、デザインの自由度が高いことなどから近年人気のネイルです。
難しそうに感じるかもしれませんが、使い方は非常に簡単。
ポリッシュをいつもより多めに爪に塗ったら、乾かないうちにマグネットを40秒ほど爪に当てるだけです。
マグネット使用前と使用後はもちろん、マグネットを当てる箇所によっても印象が変わります。
ちなみに、宮澤賢治・太宰治・京極夏彦・江國香織シリーズは、「et seq.」と文喫とのコラボ企画で誕生した商品です。
文喫というのは、六本木、福岡天神、名古屋にある入場料が必要な本屋さんです。
そこでは約3万冊の書籍が販売されており、じっくり本を読むことができる閲覧室や、複数人で利用できる研究室、食事やデザート、アルコールなどが楽しめる喫茶室などがあります。
企画展も定期的に開催されており、過去には「et seq.」の商品が店頭販売されたこともあるなど、本好きの人大注目のスポットです。
このコラボにより日本の文学作品のネイルが誕生したということが、台湾のブランド「et seq.」が日本国内でも注目されるきっかけのひとつとなったことは間違いないでしょう。
「名作コレクション」
続いて、「名作コレクション」のネイルポリッシュを紹介します。
「名作コレクション」では、『秘密の花園』『青い鳥』『若草物語』『続 若草物語』『オズの魔法使い』という5作品の登場人物がラインナップされています。
上記のうち、オズの魔法使いシリーズはすべてマグネットを当てると魔法のように色が変わるマグネットネイルになっています。
ただし、先に紹介した京極夏彦シリーズの「NK9601 鉄鼠の檻」とは異なり、こちらのシリーズはすべてマグネットスティックが別売りになっているので注意してください。
「スペシャルコレクション」
最後に紹介するのは「スペシャルコレクション」のネイルポリッシュ。
このコレクションは他と異なり、作家や文学作品ではなく、レオナルド・ダ・ヴィンチとヨハン・ゼバスティアン・バッハにスポットライトが当てられ、彼らの作品がラインナップされています。
レオナルド・ダ・ヴィンチシリーズは、レオナルド3ミュージアムとのコラボで生まれた商品です。
レオナルド3ミュージアムというのは、イタリア・ミラノのスカラ広場にある博物館。
彼が残した手稿をもとに再現した数々の機械や、「最後の晩餐」のデジタル修復版などが展示されており、レオナルドの偉業について知ることができます。
レオナルド・ダ・ヴィンチシリーズは、そんな本場の博物館から利用許可を得て、「新時代のダ・ヴィンチ」を表現したラインナップになっています。
おすすめカラーと使用シーン
「羽根ペンネイルポリッシュ」は種類が豊富なため、どのカラーを購入しようか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、おすすめのカラーを紹介します。
個人的におすすめなのは、宮澤賢治シリーズから、「KM1931 雨ニモマケズ」です。
「生のまま、生きるまま」をキャッチフレーズに純粋な心象風景を描いた、素肌を思わせるシアーなピンクベージュのカラーです。
個性的な色のネイルポリッシュも多いなか、「KM1931 雨ニモマケズ」は服装やシーンを選ばずに使えるところが魅力で、オフィスネイルにも最適。
普段使いしやすく、ネイル初心者でも手に取りやすいカラーだといえるでしょう。
肌なじみが良く、塗ると指先を健康的に見せることができます。
公式スウォッチ動画もあるので、ぜひチェックしてみてください。
商品② イージージェル | 禁断の文学
「et seq.」のもうひとつのネイルアイテムがイージージェルです。
「イージー」とついている通り、通常のマニキュアよりも簡単に使用できるネイルアイテムになります。
具体的な使い方は以下の通りです。
まず、爪にベースオイルを塗ります。
こうすることでネイルが落としやすくなるのですが、この手順は省略してもかまいません。
次に、イージージェルを爪に薄く塗り、UV・LEDライトで約60秒間爪を照射し、硬化させます。
通常のマニキュアは乾くまでに数時間かかることがありますが、このイージージェルなら約60秒間で硬化させることができるのでお手軽です。
ジェルポリッシュを塗ってライトを照射する手順を2、3回繰り返せば、より色が濃くなり、厚みもアップします。
最後にトップコートを上から塗り、再びUV・LEDライトで硬化させれば完成です。
トップコートは爪にツヤと厚みを出すだけでなく、金箔やパウダーなどのパーツを固定するために使うこともできます。
また、イージージェルはぬるま湯に3分ほど指先を浸すだけでシールのように剥がせるので、ネイルリムーバーは不要です。
なお、「et seq.」ではイージージェル専用のUV・LEDライトとトップコートが販売されているので、ぜひ利用してみてください。
「et seq.」のイージージェルは、「羽根ペンネイルポリッシュ」と同様にインク瓶と羽根ペンのような形をしていますが、ボトルが黒く、中のジェルポリッシュの色が透けて見えないところが特徴です。
ボトルの色が黒いのは、ジェルポリッシュに光が当たって硬化するのを防ぐため。
開けてみないと中身を知ることができないところから発想を膨らませたのでしょうか、このイージージェルには「禁断の文学」という副題がつけられています。
ここからはイージージェルの商品ラインナップとおすすめカラーを紹介します。
ラインナップ一覧
イージージェルには、ボードレール『悪の華』、D・H・ロレンス、エドガー・アラン・ポー、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト、F・スコット・フィッツジェラルド、グリム童話の作品がラインナップされています。
どれも独自の視点で再解釈し、主流とは異なる観点から誕生した「禁断の文学」たちです。
おすすめカラーと使用シーン
イージージェルの個人的おすすめカラーは、グリム童話シリーズから「BG1725 白雪姫」です。
「毒性が強いほど、深く溺れてしまう。」をキャッチフレーズに、毒リンゴを彷彿とさせる深いレッドのジェルです。
ハリウッド女優のイメージもある赤ネイルは、女性らしさをアップさせてくれる王道カラー。
ただし、「BG1725 白雪姫」はインパクトの強い色なので、普段使いというよりも特別なシーンで使うと良いでしょう。
音楽フェスやライブ、クリスマスデートなどがおすすめです。
また、東京ディズニーリゾートへ遊びに行くときの「ディズニーネイル」としても最適です。
特にハロウィーンの時期は、毎年ディズニーヴィランズが主役となり、パーク内がダークな雰囲気に包まれるとき。
白雪姫やその継母・ウィックドクイーンの仮装とともにこのイージージェルを塗ってパークへ行けば、きっと気分も盛り上がるのではないでしょうか。
以下に公式スウォッチ動画を載せておくので、ぜひ動画でも色を確認してみてください。
商品③ ウォームキューティクルオイル | 秘境の図書館
「et seq.」の商品として最後に紹介するのが、ウォームキューティクルオイル。
「秘境の図書館」という副題がついています。
爪周りの乾燥をケアするアイテムです。
キャンドル型になっているのが特徴で、芯の根元に火をつけて使用します。
そのまま3分ほど待ち、ロウが1円玉の大きさに溶け出したら火を消して、付属のスパチュラを使って芯に触れないようにしながら液体になったオイルをすくい、爪周りに塗ってマッサージします。
ロウは火を消したあと数分で固まり、火をつければ再度使用可能です。
使い方は以下の動画でも解説されています。
このオイルは温かいので、マッサージしながら塗ると血行が良くなり、筋肉をほぐす効果も期待できます。
どれも天然成分を使用しているので肌に優しく、癒しの香りでリラックスタイムにもおすすめ。
また、練り香水としての利用も可能だそうです。
ではここからは、詳しい商品ラインナップを紹介します。
ラインナップ一覧
ウォームキューティクルオイルは、商品によって香りが異なります。
上記のうち、「WW1803R 喜びの幻(ヴェルベットローズ&ウード)」と「WBH1794 こだまする緑(オーク&ヘーゼルナッツ)」はあとから追加された新商品です。
しかも後者はハンド用のウォームキューティクルオイルで、「文具女子博2023」にて先行発売されました。
使い方は他と同様で、溶けたオイルを手の甲に塗るだけです。
おすすめの香りと使用シーン
ウォームキューティクルオイルはどれも効果が同じなので、好きな香りで選べば問題ありません。
個人的におすすめなのは「RR1923 丘の上の図書館(モミ)」です。
モミといえば、一般的にクリスマスツリーとして知られている木。
冬でも葉を落とさないため、永遠の命の象徴といわれることもあります。
このオイルの香りについて、公式サイトでは「森林浴をしているかのような、清々しい香り。自然と深く繋がる生命力を感じさせて、思考もリフレッシュ。」と説明されています。
お風呂上がりや寝る前などにこれを使用すれば、リラックス気分になれるとともに、明日からもまた頑張ろうという元気も湧いてくることでしょう。
また、先ほども紹介したように、ウォームキューティクルオイルは練り香水としても使用できるところがポイント。
通常の香水よりもふんわりと優しく香ってくれるため、香水が苦手な人や人が多い場所でも使いやすいでしょう。
特に「RR1923 丘の上の図書館(モミ)」の森林浴をしているかのような香りには心を落ち着かせてくれる働きがあるため、ストレスを感じイライラしやすいビジネスシーンにはぴったり。
気分を安定させるお守りとして、香りに頼ってみるのもいいかもしれません。
オンラインショップと購入方法
それでは、台湾発祥の「et seq.」はどこで購入できるのでしょうか。
過去には文喫の企画展で販売されたり、「文具女子博」に出店したりしていたこともありましたが、現時点では「et seq.」独自の店舗はありません。
「et seq.」を取り扱う雑貨店はいくつかあるようですが、どの店舗がブランド内のどの商品を販売しているかまでは不明です。
そのため、購入するなら確実に入手できるオンラインショップがおすすめです。
オンラインでは、公式サイトのほか、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングやZOZOTOWNなどの大手通販サイトでも購入できます。
ちなみに、「et seq.」公式サイトでは、銀行振込・コンビニ決済・PayPal・atone 翌月払い・後払いが利用可能です。
送料は日本国内一律600円で、3,500円以上の購入で送料が無料になります。
なお、アカウントを作成しなくても商品の購入は可能ですが、アカウントを作成しログインして購入すると100円につき2ポイントが貯まり、1ポイント=1円で希望額のクーポンコードに引き換えできます。
また、SNSのフォローやニュースレター登録でもポイントが貯まるそうです。
公式サイトでは定期的にセールやキャンペーンも開催されているので、気になる人はぜひそれらに登録してみると良いでしょう。
指先に物語をまとって
インク瓶と羽根ペンを模した、飾っておきたくなるかわいいパッケージが印象的な「羽根ペンネイルポリッシュ」。
シェイクスピアや太宰治らが作品に込めたテーマ、『若草物語』や『オズの魔法使い』などの登場人物たちが歩んだ人生、それら一つひとつの物語がそれぞれのカラーに宿っています。
宮澤賢治シリーズの「KM1931 雨ニモマケズ」のような肌なじみが良く日常使いしやすい色があるところも魅力的です。
一方、禁断の文学がテーマのイージージェルは、ダークな世界観に惹かれます。
一見するとハードルが高そうですが、使い方はこちらのほうが簡単なので、普段あまりネイルをしない人にもおすすめです。
また、ネイルをオフしたあとはウォームキューティクルオイルで指先のケアを忘れずに。
独特の世界観がネイル好きな人からも読書好きな人からも注目を集めるこの“文学ネイル”は、オンラインショップで購入できます。
カラーコーディネートを楽しむだけのネイルから、ストーリーのあるネイルへ。
ぜひお好きな物語を指先にまとってみてはいかがでしょうか。
国立大学にて日本文学を専攻。
一般企業に就職したのち、フリーランスのWebライターに転身。
クラウドソーシングサイトを通じて、大手出版社が運営する本のポータルサイトに書籍レビュー記事を投稿した経験を活かし、2019年に書籍・情報サイト「いかけや日記」を開設。
2020年頃、宝塚歌劇団のファンに。
舞台の原作本を読む機会が増えたことから、2024年、「いかけや日記」を宝塚原作本の紹介を中心としたサイトへとリニューアル。
なお、読書スピードは超スロー。